ベトナムの住居文化

本日は「ベトナムの住まい」について、日本にいると知ることのできない情報をお伝えしていきます。

日本で引っ越しをしたい、家を建てたいと思ったときに、優先したい条件を思い浮かべてみてください。

一般的には日当たりのいい南向きの部屋だったり、騒音の気にならない住宅街という立地、窓の多い角部屋がいいなどなど…。

暮らしやすさを求めて条件を絞りませんか?

実は、ベトナムの多くの人々は、家選びに「日陰」を求めるそうなんです。日当たりのよさを求める日本人からすれば、考えられない条件ですよね。
ではなぜ、多くの人が家の中に日影があることを重視するのか。

その理由は、日本とベトナムの気候の違いにあります。

ベトナムは、南北に細長い国土のため、同じ時期でも地域によって気候は大きく異なるものの、全体として高温多雨で、熱帯モンスーン気候に属しています。

冬(11~3月)になると、北部では朝晩はジャケットを必要とする程度には冷えますが、南部では日中30℃を超える日が続き、年間を通して日差しが非常に強いのです。
日本も温帯に属してはいるものの、秋が深まると日照時間は短くなりますし、厳しい寒さが待ち構えているので、やはりなるべく日当たりのいい部屋で暮らしたいと思うものですよね。
日陰に入れば比較的涼しいので、年間を通して日差しに困らないベトナム人にとって、家の中に避暑地を求めるのは自然なことなのかもしれません。

また、日本でもこだわる人はいるかと思いますが、ベトナムは文化的風習で、「風水」を大切にしています。
ベトナムの風水は、陰陽の考え方などに基づいて、水の流れ・留まりや風の流れなどで、家の建て方、墓を作る場所などを決めるものです。
数についても風水の考え方が強く根付いており、階段の数やドアのサイズ、窓の数なども細かくこだわることが多いとか。

例えば、ベトナム人にとって9は、最高位の数字と考えられています。

5も、五行説が由来で、あらゆる物事のはじまりである五つの要素、金・木・水・火・土を表し、縁起の良い数字とされています。

逆に、日本と似て死を意味する4を避けたりする風習もあるみたいですよ。

気候や歴史によって住まいの特徴が出るのは日本国内でも言えることです。長い年月の中で人々は『住みやすさ』を求めて家の姿を変化させてきたんですね!
一方で日本と似たような文化も垣間見えるベトナム。まだまだ魅力がいっぱいです♪