ベトナムのお年玉事情

日本のお正月と言えば、お年玉!
子どもの頃はあんなに嬉しかったお年玉ですが、大人になると毎年出費にお財布が泣いてしまうイベントです。
ベトナムでは以前の記事でお伝えした通り、旧正月『テト』が盛大なお正月とされていますが、正月にお年玉を配る、という文化は共通しているんです!

ベトナム語でお年玉のことを、北部では「Mừng tuổi(ムントゥオイ)」、南部では「Lì xì(リーシー)」と言い、地域によって呼び方が違います。

また、渡すお金には「幸せ」や「幸運」という意味が込められており、「ラッキーマネー」と呼ばれることもあります。

スーパーやテトマーケットと呼ばれる市場に出かけると、旧正月の時期は山ほどのお年玉袋が並んでいます。子供向けのデザインばかりでなく、品のある大人っぽい祝儀袋の方なものも見受けられます。赤、黄、ゴールドの鮮やかな色に「福」の文字が書いてあったり、子供たちが遊ぶ様子が描かれていたり。花やテトの際に食べる伝統料理『バインチュン』をイメージした草色の絵柄、ちょうちんなどめでたい行事の雰囲気があふれています。

ベトナムでは5万ドン(約283円)の新券の色が縁起の良い色とされています。紫赤褐色のお札で、表面にはホーチミン主席、裏面にはフエ省の風景が描かれています。
新券で渡すのが良いとされており、多くの国民は銀行の窓口へ行き新券を大量に用意するんだそう。

2015年時点での「Thanhnien News」の記事によると、近所に住む程度の気軽なお付き合いの子供には1万ドン~2万ドン、10歳以下なら2万ドン前後、それ以上であれば5万ドン程度。親族や友人の子供であれば5万ドン~10万ドンが相場であると書かれていますが、実はその後3年で相場も2倍程度になっているようです。今は当時からもう8年が経とうとしていますし、さらにベトナムで配られるお年玉の額は上がっているかもしれませんね。

実は、ベトナムには子供へのお年玉はもちろん、「仕事の上司が部下に配る習慣」まであるのをご存じですか?日本では考えられないイベントですよね。

ベトナムでは「目上の者が下のものに」「年上が年下に」「より裕福な者が自分より裕福でない者に」など、おめでたい時期ならではの施し・助け合いの精神が根底にあります。

日頃お世話になっている人や知り合いで、自分より若かったり、立場が下であればお年玉を配るのは至極当たり前だとか。

年下の友人、家のお手伝いさんやドライバー(運転手さん)がいる人はその方たちへなど、会社の部下以外でも、様々な人がお年玉を渡す対象になります。

みんなの力で貧富の格差をなくし、助け合いの精神で国をより良くしようとする国柄が感じられますね。
日本にもあるけれど、同じようで少し違うお年玉に関する文化。ベトナムにいる時にお年玉を渡す機会があれば、5万ドンの他にも2米ドル札や日本の1000円札も縁起が良いとされています。ベトナムの人たちに人気があるので、ぜひ1000円札をご用意ください。

本年も、ワーカーネットベトナムへの格別のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。
引き続き、変わらぬご愛顧をいただけますようお願い申し上げます。
それでは皆様、日本の良いお正月をお過ごしください!