春の風物詩と言えば…🌸

3月も後半、すっかり春めいた気候が心地よく外を出歩く人も増えたように思います。
日本の春と言えばやっぱり「桜」ですよね。ピンクの花びらが舞い散る様子は幻想的ですし、桜を見るというのを名目に友人や会社の方々と宴会を楽しむのもまた乙なものです。

実はベトナムにも桜があるのをご存じですか?一つはダラット地域にしか植えられていない「Mai Anh Dao(マイ・アン・ダオ)」です。木の幹は桜のようですが、花びらは5枚の梅に似ている細くて背の高い多年生の植物で、日本より少し早い1月頃にピンクがかった紫色の小さな花を咲かせます。

日本の桜に似ているので、日本から寄贈されたものであると思っている人も多いそうなのですか、ダラットの人が山奥で発見したベトナム原生植物であるという説や、この花の祖先がヒラヤマ山脈と日本の山にも植生しているため、鳥によってベトナムまで種が運ばれてきたという説もあります。

また、ダラットにはマイ・アン・ダオの並木道があり、その光景の通りマイ・アン・ダオ通りと呼ばれています。マイ・アン・ダオは写真映えもしますし歩いていても非日常を味わえるので、若者はもちろん幅広い年齢層に愛されています。1月にはまだベトナムも少し肌寒いですが、観光地でもあるダラットではマイ・アン・ダオを一目見ようと観光者が多く訪れています。

「花の町」と呼ばれるダラットは、大手宿泊予約サイトによる「世界のお花見都市トップ10」の3位にも輝いたことがあります。公園やフラワーガーデンが多く、年間通して様々な花祭りが行われているからです。1月頃はマイ・アン・ダオの花見のシーズンということですね。

また、ベトナムの西北部地方ソンラ省には日本の桜の木1000本が植樹されています。今年2023年に日本とベトナムの国交樹立50周年を迎えるにあたり、宮城県日越交流協会が贈呈したものです。2022年の9月時点で、1000本のうち約600本の桜の木が同郡の街路や行政センター、広場などに植えられ順調に生長しています。

また、ベトナムのビンディン省にも日本の桜の新名所を開発中です。1.5キロに渡る桜の並木道を作る計画を、特定非営利活動法人日越堺友好協会がすすめており、種類はソメイヨシノではなく、「大島桜」や「大寒桜」などの日本の原生種となっています。ベトナムでの気候及び土壌適正を加味して植えるそうで、新たな観光資源になることが期待されています。

ベトナムにも日本式の桜のお花見が浸透する日もそう遠くないかもしれませんね。