旅行前にはチェックしたい!ベトナムのマナーや常識、タブーをご紹介

のんびりとした性格の人が多く、穏やかな国民性が魅力的に語られるベトナム。アジア圏では治安も比較的安定していて、気軽に陽気な海外の雰囲気府が楽しめると人気で、海外旅行に不慣れな方でも旅行しやすい国です。

しかし、やはり海外では普段の生活とは違うところも多く、注意点もあります。 本日は、シーン別にベトナムのマナーとタブーについて詳しくご紹介します。時代の流れにより若い人はあまり気にしていないなど、日本同様にその感じ方はさまざまですが、余計なトラブルに巻き込まれることなく楽しくベトナム旅行を終えられるよう、しっかりチェックしてくださいね♪

◆ベトナムの食事マナーは?

ベトナムはフランス統治時代の名残もあり、マナーやルールを厳密に守る風土ではありません。市民の倫理観にゆだねられている部分が多いですが、そのマナーの片鱗には歴史を感じるものも多くあります。

旅行中は現地の方もいるレストランや屋台で食事をすることがほとんどかと思いますので、こちらは要チェックです!

基本的マナー

食事の一般的なマナーです。ベトナム国内で食べ物を食べる時は気を付けましょう。

どんぶりや器に口をつけてはだめ!必ずスプーンを使おう

ベトナム料理の代名詞であるフォーやブンは、汁物ですので基本的にどんぶりで提供されます。これらを食べる時に器に口をつけてスープをすすることは、ベトナムでは行儀が悪いとされています。 配膳の時に渡してくれる、あるいはテーブルにおいてあるので、汁物を食べる際は必ずスプーンを使うようにしましょう。

料理の取り分けは直箸をしない

ベトナム料理は大皿で全員分の食事が出され、それを各自が自分の茶碗や取り皿に分けます。 他の人が遠慮していたり、料理に手が届かないときに、自分が皆の分も取り分けてあげる機会があるでしょう。 そのときは日本と同じように、箸の裏側を使います。ただし日本と違うのが、自分が食べるものについては直箸で大丈夫なところです。とりわけを担当するときだけ意識してみてください。

お茶碗とソーサーはセット

ベトナムで少し改まった席で食事をするとき、テーブルにお茶碗とお皿が重ねてこのように置かれていることがあります。これはフランス植民地時代の名残と言われているこの配膳の仕方。下のお皿はあくまでも「ソーサー(受け皿)」ですので、重ねた状態のまま使用しましょう。骨や貝殻などが出たときに、このソーサーの上に置くようにします。

ただし、お茶碗にまだ別の料理が入っているけれど、他の料理を取り分けたいなどの場合には、ソーサーを料理皿として使ってもマナー違反ではありませんよ。

麺をすすって食べない

日本ではどんぶりに入った麺を音を立ててズルズルっと食べるのが一般的ですが、ベトナムでは麺をすすって食べるのはマナー違反です。フォーやブンなど麺類を注文したときは、必ず箸と一緒にレンゲやスプーンももらえます。箸で麺をつかんで一旦スプーンに乗せ、音を立てずに食べましょう。

大きな器は持ち上げない

どんぶりだけでなく、基本的にベトナムで提供される大皿の食事は持ち上げずに食べます。日本では皿を持ち上げず食べることが行儀が悪いとされるため戸惑うかもしれませんが、持ち上げることがマナー違反になってしまいます。

飲食店の常識

ベトナムは現地の人も外食する機会がとても多く、飲食店の数がとても多いんです。ましてや観光客の私たちは外食三昧になるかと思います。ベトナムの飲食店で恥をかいたり、知らなかったからと不要にお金を取られることがないよう、しっかりチェックしてから食事に出かけましょう。

おしぼりが有料

ベトナムの飲食店にも、日本と同様におしぼりがテーブルに置かれていることがよくあります。しかし実はこれが有料で、 使うと大体2000VND(約11円)が会計に上乗せされます。 割高だということで、現地の方の多くはウェットティッシュを持ち歩いているとか。 私たちも忘れず持ち歩くと節約になります。

また、これは日本ですると白い目で見られてしまいますが、屋台などで食事をした際に使った紙おしぼりやティッシュは、近くにゴミ箱がないときはそのまま床に捨てて構いません。ベトナム人は汚れるのは当たり前だからいっぺんに掃除するという考えから始まった習慣のようです。

お茶や水も有料提供

ベトナムではおしぼり同様にお茶や水を無料で提供する店も少なく、飲み物が欲しい時は注文しなければなりません。日本の感覚でお冷を注文した場合、料金を取られることがあるので注意が必要です。ちなみにミネラルウォーターの価格は、日本円で20円~500円程度とお店によって大きく異なります。水の注文で500円取られると痛手です。事前にしっかり確認しましょう。

机の上にあるものは食べた分お支払い

日本でも最初からテーブルにお漬物やご飯のお供が置いてあるお店がありますが、ベトナムにもそのようなお店が存在します。テーブルの上にバナナの葉に包まれたお肉の加工食品やお菓子が置いてあることがありますが、これは日本と違って無料ではなく、食べた分だけ支払わなければなりません。知らずに食べることがないよう注意しましょう。

お支払いはテーブルで済ませる

日本はレシートをレジに持っていきますが、ベトナムは大衆食堂から高級レストランまで、すべての店でテーブル会計が基本です。食事を終えたら、手を挙げて従業員を呼んで「チェック」や「ビル」と伝えてください

ついつい日本の習慣が出て会計をしていないで席を立ちあがると、食い逃げと勘違いされるかもしれないので注意しましょう。ちなみに観光客向けの日本人が行くような店は、大抵英語が話せる従業員が常駐していますよ。

«番外編»飲み会の習慣

日本と似ているところもあれば、「へぇ~!」と驚く習慣もあるベトナム飲み会のしきたりをご紹介します!もし日本にベトナム人の友人がいるなら、ベトナム方式で飲み会をやっても楽しそうです!

乾杯は何度もする!

ベトナム人の飲み会は、「モッ!ハイ!バー!ゾー(ヨー)!」の掛け声で始まります。「ゾー」は北部、「ヨー」は南部の方言です。 「モッ!ハイ!バー!」は数字の「1、 2、 3」を表し、「ゾー(ヨー)!」は「vào(ヴァオ)」という「入れる、入れる、〜の中に」という意味の言葉から来ていると言われています。直訳すると「 1、 2、 3、酒を体に入れよう!」という感じの意味です。

そして飲み会の始まりの乾杯以外でも、挨拶に来た人だけでなく同じ卓の人たちと飲み会中に何度も乾杯することがしきたりです。日本でも飲み会中は城跡の方にお酌をしにまわったり、グラスを片手に挨拶や話しをしに回って、その都度乾杯する風景は見られますよね。ベトナムの繰り返される乾杯は、それに近いと言えるでしょう。

基本は各々手酌

日本では、たとえ目上の方でなくとも一緒に飲んでいる人に手酌をさせることは失礼だとされていますよね。しかしベトナムでは基本的にみんな手酌なんです。 ビール瓶を注文する場合も、1人1本頼むのが普通なんですよ。

誘った人が奢るもの

ベトナムでの食事は、基本的に誘った人が勘定をします。 そのため、ベトナム人を食事に誘う場合はお店選びが重要です! 割り勘だろうと思い、いいお値段のお店に行ってしまうと、予想外の出費がかさんでしまうかもしれません。

また、大人数で食事をするのが一般的なベトナム人は「他の友だちも呼んでもいい?」と、さらに友人を誘うこともしばしば。 その場合も1番初めに誘った人が全て支払うことになるので注意しましょう。

◆ベトナムを10倍楽しむ!ベトナムの常識や習慣

食事についてお話をしてきましたが、旅行中の生活は、食べてばかりというわけではありませんよね。 ショッピングを楽しんだり、由緒ある寺社を訪れたいという方もいるでしょう。 よりベトナム旅行を楽しむための常識や習慣をご紹介しています。

買い物は値切り交渉必須

ベトナムでの露店や市場はほぼ「言い値」のお店です。値段交渉に慣れてない日本人では、毎日観光客を相手に商売している手慣れた店員さんの言い値に何も言わないと、そのまま買わされてしまいます。損をすることになるので、値切りは必須と言えるでしょう。 しかし、ベトナム人店主との交渉は一筋縄ではいきません。 なかなか英語が通じる方が少ないというのがあります。お買い物時には会話による交渉より数字の見せ合いのほうが効率もよく、お互いに直感的にわかりやすいので、自分で小さめの電卓を携帯しておくと便利でしょう。

露店や市場での交渉は、笑顔で丁寧な接客が常識の日本人にとっては、少しハードルが高いものですよね。嫌な顔されたりすると、気が引けたりしますが、現地の人たちは私たちが値切ったそのさらに半額以下で購入出来るとか。 気が引けると思わず、値段交渉に挑みましょう。

貴重品はカバンの中へ

ベトナムは比較的治安のいい国ですが、スリやひったくりなどの軽犯罪はとても多いです。 ほかの国に比べ特にバイクが多いので、後方からバイクでスマホやバッグをひったくられる被害にあう人はたくさんいます。 ベトナム人でも被害にあうので、外国人である私たちはより狙われやすくはなります。 貴重品は必ずカバンに入れましょう。できれば財布などはその日使うお金だけ入れて持ち歩くための、安いものを用意するといいかもしれません。

また、日本の公的なカード類は、パスポートがあるので海外の日常生活ではほとんど使いませんよね。紛失すると日本に帰ってきてから再発行に時間やコストがかかってしまうので、よほど必要がない限り持ち歩かないことをお勧めします。

トイレは日本と違う

ベトナムのトイレは排水管が細く水圧が弱いので、トイレに紙を流すと詰まってしまいます。 ホテル、カフェやレストラン、ショッピングセンターなどの観光客が多い市内のお店のトイレは、そのまま流せるトイレを設置していることもありますが、特に市内から離れた地域のトイレは、紙が流せないことが多いです。

それどころか、楕円の形をしたトイレの片側に穴が空いているような和式タイプもまだまだ存在しており、日本とは大きく勝手が違います。 またベトナム式のトイレでは、水洗ではなく自分で桶の水を使って流さないと行けない場合もあるため、ベトナムのトイレには横にゴミ箱が設置されています。使った紙はこのゴミ箱に捨てましょう

チップの習慣は基本ナシ

海外旅行では必ずと言っていいほど戸惑う「チップ文化」。その国にチップ文化があるとはわかっていても、相場はどのくらいなのかな?と旅行慣れしている人も迷ってしまうでしょう。 ベトナムは日本同様チップを払う文化や習慣は基本的にありません。 提供されたサービスに満足したり、食事が素晴らしかった!などという場合は、チップをあげると大変喜ばれますので、払うこと自体はタブーになりません。チップに慣れていない屋台などで多めに支払いをすると、おつりとして返されてしまいます。支払いのタイミングでチップであることをさりげなく伝えましょう。

そして、もしホテルに宿泊する場合は、ベッドメイクに対して10000VND(日本円で約50円)程度のチップを置くようにしましょう。ベッドメイキングに関しても、サービスが行き届いていると感じたら、少し多めに置いていくといいですね。 ベトナムの安いホテルでは、残念ながらごくたまに部屋に置いておいた荷物が盗難されることがあります。荷物を盗まれないためにも、スタッフさんにはチップを渡し「ありがとう」を伝えることをお勧めします。

ちなみに渡し方については、お皿の下に隠したり、請求書の後ろに隠したりしておいてください。 あからさまにチップを見せると、相手が物乞いをしているかのように感じ気分を損ねる可能性があります。

◆トラブルに巻きこまれないようタブーに注意して

失くし物はもちろん、言葉が通じない現地の人々を怒らせてしまったり、警察のお世話になるなど旅行先でのトラブルは絶対に避けたいですよね。悪気なくした行動で、こういったことを招かないよう、ベトナムのタブーについてもしっかり学びましょう。

子どもとの距離感に注意

市場や公園を歩いていると、現地のベトナム人の子どもを見かけることも当然あります。観光地であることやその国民性から、人懐こい子どもなどは自ら寄ってくる場合もあるでしょう。しかし、日本人の子どもに接する感覚で頭をなでたりと距離を詰めすぎないようにしましょう。

実は最近ベトナム人、中国人による子供の誘拐事件がホーチミンの都心で発生しています。子供を抱きかかえたり、一緒に手を繋いで歩いたりすると、悪気がなくてもお父さんお母さんが不快に感じ怒り出してしまうことがあるんです。

寺院では肌の露出を抑えて

宗教施設を訪れる際は肌の露出を控え、私語を慎むのも忘れずに。宗教上の理由から、肌の露出が多いと入場できないこともあるので注意しましょう。

念のため、さっと羽織れる薄手の上着や長袖長ズボンなどを持参していくのが間違いありません。

軍関係者・警官は撮影禁止

ベトナムの街中は日本では見れない珍しい建造物や、道いっぱいにあふれそうなバイクの群れなど、思わず写真に収めたくなる風景がいっぱい!基本的にどこも撮影OKですが、警察官や軍事・政府関係施設の撮影だけはNGです。

ちなみに寺院や教会ではフラッシュ使用も禁止されており、場所によっては撮影自体を咎められる事もあります。

歴史や政府を批判しない

目的が観光であれば、これはほとんどないかとは思いますが、ベトナムでは公の場で政府に関わる悪口をいうことは禁じられています。もし聞かれていた場合、警察のお世話になってしまうでしょう。

また、ベトナムを統一に導いた革命家のホーチミン氏について。ほとんどのベトナム人はホーチミン氏を尊敬し、愛しているので、ベトナム人の前でホーチミン氏の悪口を言うのはNGです。

まとめ

世界にはウィズコロナを掲げ、外国人の渡航を受け入れる国も増えています。私たちがベトナムに旅行に行けるようになる日もそう遠くないかもしれませんね。

今回は観光向けとして書かせていただきましたが、日本で暮らすベトナム人の友人、知人がいるという人は話のタネになるかもしれません。 もし旅行に行く際は、いつでも見直せるようブックマークしておきましょう。